館長コラム 筆まめ福まめ

ごあいさつ

東京都写真美術館は全世界でも数少ない写真と映像の専門美術館で、東京-パリ友好都市の関係から、パリのヨーロッパ写真館の姉妹館として、一足先に1995年(平成7年)に恵比寿ガーデンプレイスに生まれました。
十分な準備期間があったので収蔵する作品数は、28,077点(2011年3月末現在)に及び、その中にはすでに今日では得難くなった貴重な作品が多くあり、しかも、日本の作家のコレクションの厚みなどは、他館にないユニークなものです。
その後、写真文化は更に発展する一方、いわゆる銀塩フィルムや印画紙による20世紀型の写真がデジタルの世界に急速に変わっています。今や当館のコレクションは旧世代の貴重な写真を中心とし、更にデジタル写真文化への移行を記録し続けています。そしてまた映像という新しく開けていく分野にも注目しています。写真の歴史を通じて、作家たちが何をどう表現したかをダイナミックに伝えることこそこの館の仕事だと考えています。
当館では、原則として常時三つの展示を行っています。その代わり通常の美術館にあるような常設展示がありません。その理由は貴重な作品を保護するため、長期にわたって展示できないことによります。しかし、収蔵作品は館内の情報検索システムによりご覧になれます。また、当館の4階にある写真専門の図書閲覧室(書籍36,521冊・和洋雑誌1,426タイトル)(2011年3月末現在)も館の誇りです。
今後も、文化の蓄積・継承を通じた社会発展への貢献を果たすために、努力を積み重ねてまいります。一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

東京都写真美術館 館長 福原 義春

東京都写真美術館
館長 福原 義春

写真美術館の基本的性格

  1. 写真の総合的専門美術館として、収集、展示、保存、調査、研究、普及等を含めた総合的な活動を行う。

  2. 写真芸術・文化を普及するために、人びとが気軽に優れた写真作品を鑑賞し、学ぶとともに、美術館の諸機能を積極的に享受できるような開かれた施設とする。

  3. 写真に関するあらゆる情報を集約するとともに、写真を含む映像全般に関する調査・研究を行う。

  4. ワークショップなど参加型機能をもつとともに、人びとの創作活動をサポートする施設として館内外の写真作家や人びとが広く交流しうる場を備える。

  5. 日本における写真文化のセンター的役割を果たすとともに、国際的な交流の拠点となることを目指す。

  6. 写真表現の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘し、新しい創造活動の展開の場とする。

  7. 歴史的な映像文化に関する展示と最先端の映像表現を体験的に享受できるスペースを設け、映像メディアの発達の歴史を学ぶとともに、多様な表現の可能性を探る。